コンセプトについて

JAPAN TRAIL

コンセプトについて

「JAPAN TRAIL」で日本をひとつにしたい

長野県と新潟県の県境に「信越トレイル」が誕生して以来、日本各地で本格的なロングトレイルが次々と整備されています。そうしたロングトレイルを南から北へとつなぎ、日本列島をひとつに結ぶ「JAPAN TRAIL(ジャパントレイル)」の創設を、わたしたちは提唱いたします。

コロナ禍においてわたしたちは、身のまわりの環境にいっそう関心を向けるようになりました。もっと自然に触れて心も体もすこやかに暮らしたいと、ライフスタイルの変化を求める気運が高まっています。昨今のキャンプ・ブームからもうかがえるように、遊びのニーズも受動型から体験型へ、屋内から自然のなかへとシフトしています。「JAPAN TRAIL」は今という時代にこそふさわしいプロジェクトだと、わたしたちは考えます。

沖縄・奄美の島々を歩き、開聞岳から九州の山々を越えて本州へ。山陰や北陸を経由して日本アルプスを縦走し、富士山を仰ぎ見ます。そして、上信越・東北の山々を縦断し、北海道の果て・知床の羅臼岳へ———。誰もが思い思いに「歩く旅」を創り、体験し、自分の足でこの国の魅力を発見できるのが「JAPAN TRAIL」です。今後ふたたび増加が期待される海外からの旅行者の目にも、そうした旅のスタイルは新鮮に映るでしょう。総距離1万kmに及ぶ旅の舞台を、一緒に築きませんか。

歩く旅「Hiking Nippon」を広めたい

日本で「ハイキング」というと、お弁当を持って野山でピクニックをするイメージかもしれませんが、本来の定義は「美しい自然のなかを歩く遊び」です。近所の里山や海岸を散策するのも、家族や友人と週末に山を歩くのも、数ヶ月をかけてロングトレイルを踏破するのも、すべて「ハイキング」。とても間口の広い遊びなのです。わたしたちはHiking Nipponというスローガンのもと、日本中のトレイルを受け皿に、その楽しみを広めたいと考えます。

日本は四方を海に囲まれた「海国」であり、山が国土の7割を占める「山国」でもあります。亜熱帯の沖縄から亜寒帯の北海道まで、さまざまな気候区分に属します。四季の移ろいに合わせて自然は表情を鮮やかに変え、豊かな動植物を育み、人々の暮らしも地域ごとに多様です。コンパクトでありながら、とびきり多彩な遊びが体験できる国。それがわたしたちの暮らす日本です。

そんな日本の魅力を自分の足で体験し、味わっていただきたいと、わたしたちは願っています。安全とマナーさえ守れば、ハイキングは年齢を問わず、体力と目的に合わせて自由にカスタマイズできる遊びです。自然はもちろんのこと、旅先の文化・歴史に触れるもよし、地酒や郷土料理に舌鼓を打つもよし。とりわけ子どもたちにとって、トレイルは最高のアドベンチャーランドです。自然のなかでさまざまな不思議に出会い、自分の足でどこかにたどり着く喜びは、一生の宝物になるでしょう。

未来を目指して、日本を歩く

霧ヶ峰・美ヶ原や信越をはじめこれまでに整備されたロングトレイルは、地元のみならず、国内外から大勢の旅行者やハイカーをひきつけています。「歩く旅」の普及は地方を活性化し、地方から日本へ、世界へと情報が発信されるにつれて、その動きはさらに大きなうねりとなるでしょう。また、自然のなかを歩く人が増えるほど、環境保全への意識は高まります。次世代を担う子どもたちの環境教育と体力作りの場として、わたしたちはトレイルの活用を推進していきます。

この道は沖縄にも北海道にもつながっているんだ———。旅の途中で、そんな壮大な風景が心に浮かぶ「JAPAN TRAIL」を創りたい。日本の財産として、未来に残したい。わたしたちはそう願っています。

JAPAN TRAIL提唱委員会